たった1人からはじめて、「越境」するチームをつくるまで
読んで欲しい人
指示された訳ではないけれども、アジャイルな働き方に挑戦してみたい人
様々なアジャイル手法を幅広く学びたい人
読んで得られること
1人、チーム、組織でできるアジャイルな主要プラクティス一式
「SCRUM BOOT CAMP THE BOOK」が、上司に無茶振りされてScrumをはじめることになった時の読む本だとすると、本書は「自分からアジャイル開発に挑戦してみたいと思った時に読む本」になります。
ウォーターフォールな働き方をしてきた会社にとって、アジャイル開発の転換は…単に「新しい開発手法を取り入れる」のではなく「会社の文化を変える」ことを意味します。現場の個人が会社変えることはとても難しく、通常はトップダウンの判断やAgile Coachの支援が必要です。
とはいえ…たった1人でもできることはあるはずです。本書の物語はフィクションではありますが、著者の経験が盛り込まれており…経験豊富なAgile Coachから見て現実的な内容となっています、
第一部は一人でできること。
第二部は一人の活動の結果…チームを作ることに成功してチームでできること。
第三部はチーム活動を通じて、会社全体に影響を与えていけること。
小さな活動をボトムアップで拡大していく物語の中で、出来事やコラムを通じて様々な具体的なテクニックも紹介されています。三部構成で話がスケールしていくので、スクラムの基本的なツールだけでなく、バリューストリーム・マッピングやインセプションデッキ、リーンキャンバスなどもコンパクトに解説されているので、とてもお得な一冊です。
まだ会社自体に「アジャイル開発を取り入れる」ような動きがない中、小さく挑戦を始めてみたい人に…勇気を与えてくれる良書です。