ウォーターフォールな組織で、スクラムを始めたいと思っている方
新規事業や起業を考えている方
優先順位の考え方を学びたい方
少しずつ状況を変えていくことができる行動様式
「事業計画をしっかり立ててから始める」のではない行動様式
優先順位を考える上での新しい考え方
スクラムを大規模に適用するためのフレームワークの資格研修「Registered Scrum@Scale Practitioner」にて、アイスブレイク的に紹介していただいた思考法なのですが、とてもスクラムの理解を深めるのに有効な内容でしたので、ご紹介します。
エフェクチュエーションとは「実際に成功した起業家を調査して見つけた共通の行動様式」です。
イノベーションを起こすことは簡単ではありませんが、イノベーションを起こしている組織の働き方を取り入れることでイノベーションの可能性を上げる…という意味でもスクラムは注目されています。エフェクチュエーションは、起業に西洋している人の行動様式を取り入れることで起業の成功可能性を上げる…という意味でとても有効です。
内容もとてもシンプルで、5つの原則にまとめられています。とっても雑に解説すると…
手中の鳥:知っていること、知っている人
許容可能な損失:リターンよりリスクから考える
レモネード:期待していなかった結果を活用する
クレイジーキルト:おねだりする、される
飛行機のパイロット:自動飛行と手動操作
これらの考え方と活用して、できることから広げていく…という行動様式です。スクラムの経験主義やMVPと親和性の高い考え方です。ウォーターフォールに近い計画主義の考え方をコーゼーション(Causation)と言いますが、本書ではこれを否定する訳ではなく、状況によって使い分けるべき…と解説しています。
例えば、未知の分野で新規事業を立ち上げる場合はエフェクチュエーションが有効である一方、事業が立ち上がり安定した後はコーゼーションの方が効率がよく、新たに変革が必要な時期になったら再度エフェクチュエーションが必要になる…という感じです。
ですので、新規事業の立ち上げや起業だけでなく、新しいプロダクトを立ち上げる際にも参考になる考え方です。
ウォーターフォール色が強い組織の中でスクラムを始める場合、できることから小さく初めていくのが有効だと言われます。その際の具体的な行動様式としてエフェクチュエーションはとても参考になります。
プロダクトバックログアイテムの優先順位を考える際に、エフェクチュエーションとコーゼーションを使い分ける考え方はとても有効です。
プロダクトオーナーや組織にスクラムを広げたいアジャイルコーチにオススメの一冊です。
本書はオーディオブックで聞くのもオススメです。