読書感想文】PMBOK 第7版

2021/11/21

PMBOKが第7版で激変した…との噂を聞きまして…久々に買って読んでみました。

アジャイルコーチとしての感想をつれづれなるままに書いてみたいと思います。

たいぶ薄くなって読みやすくなりました。

PMBOKといえば…辞書のように分厚いことで有名でしたが…半分以下になりました。

付属文書を除けば200ページを切ります!!だいぶ読みやすくなりました。お値段据え置きですけど…😀

「Scrum Guideは18ページしかない!」なんて話っもありますが、PMBOKですから…すごい変化ですね。

序文に感じる配慮

激変したPMBOKですが、序文には「過去を否定している訳ではなく…従来との関係性を維持して進化を遂げているのだ」ということが淡々と書かれています。

それは本当にその通りだと思います。新しいやり方や考え方を取り入れる時、従来のやり方との違い…ProsConsを語ることになりがちで…「それって今までのやり方をディスってます?」なんてハレーションを生むことが多いですよ。でも新しいやり方は、いままでのやり方を進化させたものが多く、アジャイルプラクティスには…ウォーターフォールで培った経験…苦労だけでなく成果も…活かされているいる訳です。

そういう視点ってとても大事だなぁと思います。

構成変更が一番の違い?

第6版から世界中のスクラムマスターにも取材して、アジャイルなプラクティスもPMBOKにある程度含まれていたそうですが…第7版の一番の違いは、構成変更だと感じました。

第6版が、

    • PM知識体系ガイド:Howの話

    • PM標準:プロセスの話

という構成だったのに対し、第7版は…

  • PM標準:Whyの話

  • PM知識体系:Howの話

という順番になってます。全体感を持ってWhyをしっかり定義する…とってもアジャイル的で良いと感じました。

Whyの話

その「Why」の部分ですが、プロジェクトマネジメントとは「価値実現システム」だという話から始まります。そう…大事なのは、プロジェクトのOutputではなく、顧客が得られるOutcome…というのはスクラム界隈の常識ですが、PMBOKもそこから書かれ始めています。

PMBOKらしい、組織のガバナンスやプロダクトライフサイクル、ステークホルダ分析なんかの話はありますが…

「スチュワードシップってサーバントリーダーシップってこと?」

「テーラリングって検査と適応を繰り返すスクラムマスターの活動のこと?」

なんて思える内容も多いですし、

  • 勤勉で、敬意を払い、面倒見の良いスチュワードであること

  • 協働的なプロジェクトチーム環境を構築すること

  • 価値に焦点を当てること

  • 状況に基づいてテーラリングすること

  • プロセスと成果物に品質を組み込むこと

  • 複雑さに対処すること

  • 適応力と回復力を持つこと

なんて…スクラム研修でよく話すテーマも多く含まれていました。

「プロジェクトが最初に計画したとおりに遂行されることは滅多にない(P56)」と断言して「短期のフィードバックループ」の重要性が語られていたりします。

こういう考え方がPMBOKの最初に定義されるのは…とても素晴らしい変化だと思います。

Howの話

Whyを共感してからHowの話に入ると…腹落ちしますよね。

「チームには、集権型と分散型ある」としながら分散型の解説がとても長かったりします。

プロジェクトチームの文化を育む大事な要素として「透明性」「誠実さ」「尊重」「肯定的な会話」「支援」「勇気」「成功の祝福」が紹介されています。これに「Focus」や「Commitment」を語るスクラムより優しい感じさえします。

パフォーマンスが高いプロジェクトチームの定義も「オーナーシップや理解の共有」「協働」「適応力」などスクラムとの共通点が多いです。

複数回のデリバリー…サイクリストとして「デリバリーケイデンス」って表現はしっくりきました…😀

予測型ライフサイクルの話もありますが、漸進型開発アプローチと適応型開発アプローチの重要性を中心にかかれています。

見積では不確実性のコーン、ポイントやアフィニティ見積もりの話も出てきます。

品質に関しては、V字モデルではなく…変更コスト曲線の話が書かれており(ハウスキーピングですね!)変化を感じました。

全体的に…

  • ウォーターフォールな手法、アジャイルな手法…「両方ともあるよ」と紹介されている

  • でも「アジャイルな手法」の説明の方が詳細にかかれている

ような印象です。

アジャイルな人にもオススメの内容になってました。

PMBOK第7版はですが…アジャイルな方々にもオススメできる内容になっていました。

「モデル、方法、作成物」の章には…具体的なフレームワークの紹介がたくさんあります。スクラムやっている人たちも…

  • うちの組織でスケールさせるにはどうしたら良いのか

  • よりチームを加速させる…計測指標の新アイデアはないか?

などのヒントも得られると思います!(1万円以上と…ちょっとお高いですが…)

とりあえず、徒然なるままに書いてみましたが…今日はこの辺で…